いいから私の婿になれ
まるで放り投げられるように。

黎児と真琴はネットカフェを追い出される。

当面出入禁止のオマケ付きだ。

「あーあ、てめぇのせいでネトゲ途中やめになっちまったじゃねぇか。まぁ『麗しの給仕服』ゲットできたからいいけどよ」

両手をズボンのポケットに突っ込んで、黎児がブツブツと文句を言う。

「知らんわ。お前のお陰でまた癒し空間探し直しじゃっ」

迷惑を蒙ったのはこちらだと言わんばかりに真琴も毒を吐く。

「ネットカフェならこんな遠くまで来なくても、駅のすぐ近くにあるじゃねぇか」

「あそこは好かん。黎児みたいな廃人臭するのがめっちゃおるさかいな」

「誰が廃人臭だ。てめぇだってネットカフェ通ってんなら同じだろうが」

「俺はネットゲームなんてやらんっちゅーねん」

いがみ合いつつも、肩を並べて同じ方向に歩いていく二人。

仲がいいのか悪いのかわからない。

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