いいから私の婿になれ
会話を交わす度に頭痛の種が増えてくる。

米神を錐でえぐられるような痛みに耐えながら。

「で、エリアルさんは…」

「『エリアル』です」

「エリアルさんは…」

「『エリアル』です」

…呼び捨てにしろという事らしい。

「エリアルは」

「はいっ、ご主人様っ!何でございましょう!」

…話が進まないので、彼女の反応は無視する。

「一体俺に何をして欲しいんだ?」

黎児の質問に、エリアルはキョトンとした顔を見せた。

その表情さえも可愛らしい。

「何をして欲しいと仰られましても…エリアルは困ってしまいます。敢えて申し上げますと、『ご主人様が私に何をして欲しいのか仰って欲しい』といいましょうか…」

だからといって『このまま目の前から消えてくれ』などと言ったら、手がつけられないほど号泣とかされそうだ。

この手のタイプはそうに違いない。

黎児は根拠もなく自信があった。

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