いいから私の婿になれ
真琴の背中を睨むエリアル。

揃えられていた手のうち、右手の方がユラリと持ち上がったかと思うと。

「っ!?!?」

黎児の目の前で、その指先が赤く発光し始めた。

キィィィィン、と微かな収束音。

それを。

「っおいっ!」

黎児は慌てて押さえつけて止めた。

「っ…ご主人様?」

驚いたように見つめ返すエリアル。

黎児は周囲を素早く確認して、誰にも目撃されていないのを確かめると。

「ちょっと来い!」

エリアルの手を引き、狭い路地へと駆け込んだ。

< 26 / 101 >

この作品をシェア

pagetop