いいから私の婿になれ
またエリアルは訳のわからない事を言い始める。

「俺が育てた?俺がエリアルに、魔法を教えたって事か?」

「教えて頂いたと申しますか、魔法を行使できるように鍛えて頂いたと申しますか…」

曇りのない眼差しで、真っ直ぐに黎児を見つめるエリアル。

相変わらずの姿勢のいい立ち姿から、黎児をからかっているような素振りは見受けられない。

完全に妄想にとり憑かれているか、或いは…。

(本当の事を言っている…?)

俄かには信じ難いが、エリアルが真琴に対して、『何か』をしようとしていた事は間違いない。

黎児も自分の目で確かに見たのだ。

エリアルの指先が、ライトも何も持っていないのに赤く発光したのを。

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