いいから私の婿になれ
とりあえず話が終わり、黎児とエリアルは通りへと戻る。

既に日が沈み、暗くなり始めた中心街。

店先にも明かりが灯り、賑やかさを増した感じだ。

当初の目的だったネットカフェ探索もエリアルの登場により途中止めになったし、真琴も既に帰宅してしまっている。

黎児としても、もうこの界隈に用事はない。

帰宅して夕食にしたい所なのだが…。

「…あのさ、エリアル」

返答は何となく予想できたが、黎児は一応エリアルに問いかけてみる。

「俺、これから帰って晩飯食うんだけど…」

「ご主人様、今夜は何を召し上がりますか?私、腕によりをかけて作らせて頂きますっ」

やはりだ。

エリアルはこのまま黎児の部屋に上がり込み、夕食を振る舞う気満々らしい。

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