いいから私の婿になれ
「あぁ」

ポンと手を叩くエリアル。

やっと理解してくれたらしい。

赤面気味の額に滲んだ汗を拭いながら、黎児は溜息をつく。

「つまり夜伽ですね。承知致しました。ではお食事の後に致しましょう」

「~~~~~っっっ!!!!」

可憐な微笑みを浮かべて、シレッと爆弾発言を見舞うエリアル。

「おまっ…何言ってるかわかってんのか!」

「勿論でございます。ご主人様の夜のお供も、私の務めと認識しておりますから」

そう言って頬を赤らめるエリアル。

その輝きを伴わない瞳が、遠くを見つめる。

「エリアルは、いずれはご主人様の生涯の伴侶となって添い遂げる事が夢なのでございます。夜伽の相手も務まらずに、ご主人様に添い遂げる事がどうして出来ましょう」

(あぁ…やばい…)

近くの電柱にもたれ掛かり、立っていられないような脱力感を必死に堪える黎児。

(コイツ本物のアホの子だ…)

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