いいから私の婿になれ
風呂を済ませ、ベッドに座って心臓をバクバクさせていると。

「それではご主人様、私も失礼してお風呂を頂戴いたします」

静々とエリアルが脱衣所に入っていく。

ドア一枚隔てた向こうから聞こえる衣擦れの音。

しばらくして聞こえてくる、シャワーの音。

まさか自分の部屋で、あんな綺麗な女性がシャワーを浴びる事になるとは…。

風呂上がりにもかかわらず、黎児はおかしな汗が止まらない。

それからまたしばらくして。

「只今戻りました」

体にバスタオルを巻いただけのあられもない姿で、エリアルが出てきた。

「うわっ!わっ!エリアルお前!ちゃんと服着ろよ!」

嬉し恥ずかし、顔を両手で覆いつつも指の隙間からしっかり見ている黎児。

その視線が。

「?」

エリアルの左肩に、刻印のようなものを見つける。

『001548967』

番号の羅列。

「エリアル…それは?」

「え?これですか?」

彼女は特に表情を変えるでもなく答えた。

「自律型魔動人形としての、私の製造番号です」

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