いいから私の婿になれ
黎児は言葉に詰まる。

確かに女だとわかった真琴の事は可愛いと思ったし、このままこれまで通り仲良くしていたいとも思っている。

昨日までエリアルに対しても同じ事を思っていたように。

どっちつかずの優柔不断。

そんな黎児の態度が、エリアルにこんな行動を起こさせているのだ。

「お答え下さいませご主人様、私とその雌豚、どちらをお選びになるのですか?」

「……っ」

後ろで黎児の背中をギュッと掴む、真琴の気配が感じられた。

黎児は口を開かない。

返答に窮する。

真琴とエリアル、どちらを選ぶのか。

その答えが即答できない。

その事が、エリアルに更なる行動をとらせる事になってしまった。

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