いいから私の婿になれ
やる気の欠片も見せないまま、学校の教室に到着するなり自分の席に突っ伏す黎児。

とにかく眠い。

流石に三時間の睡眠は堪える。

「よぉ黎児、また昨夜もネトゲか?」

隣の席の友人が黎児の肩をポンと叩く。

「昨夜じゃねぇよ、『今朝まで』だ」

「うはっ、筋金入りの廃人だな」

…よく言う。

黎児の事を廃人呼ばわりするこの友人も、この間ホビーショップの美少女フィギュアの展示ケースに顔を押し付けて食い入るように見ていた筋金入りのオタクだ。

ネトゲ廃人と美少女フィギュアオタク。

人間としてどちらがより終わっているのだろう。

リア充に言わせれば、どちらも『逝ってよし』なのだろうが。

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