いいから私の婿になれ
「おい、いい加減にしろ!」

たまらず黎児が真琴を庇うように立った。

「お前一体何が目的だ!真琴を殺したりしなくても、お前は俺のそばでメイドとして仕えていれば満足なんだろうっ?」

「それは違いますご主人様」

黎児に対してのみ、エリアルはこれまで通り可憐な微笑みを浮かべる。

「私の目的は、最終的にご主人様を伴って『私の世界』に戻り、ご主人様と共に『私の世界』を掌握する事です…その為には『こちらの世界』にご主人様の心残りなどあってはならないのです」

うっとりと。

エリアルは頬を染めて妄想する。

「ご主人様の命令に従い、数多の魔物を蹴散らして強く逞しく成長していくあの悦び…あの日々が永遠のものとなるならば、私は雌豚の命くらい笑って摘みましょう」

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