いいから私の婿になれ
「……」

黎児は前から気になっていた。

黎児によって魔法を行使できるように育てられたというエリアル。

黎児の命令に従い、数多の魔物を蹴散らして強く逞しく成長したというエリアル。

最初はそんな事、身に覚えがないと思っていた。

しかし…。

「なぁ、エリアル」

黎児は呟く。

「お前はもしかして、『次元跳躍魔法』でこの世界にやってきたのか?」

彼の言葉に、エリアルは華のように微笑む。

「はいっ、はいっ!そうでございますご主人様!」

「その魔法は、ケルベロスを倒してレベルアップした時に覚えたものか?」

「ええっ!そうでございます!」

「…エリアルが身につけているそのエプロンドレスは、『麗しの給仕服』か?俺がネットカフェでログインした時にゲットした…」

「その通りでございます!やっと気づいて頂けたのですね!」

< 67 / 101 >

この作品をシェア

pagetop