いいから私の婿になれ
エリアルから、病んだ表情が消える。

「寝る間も惜しみ、学校に通われる時間さえも裂いて私を育成する事に心血を注いで下さったご主人様…私に対する愛情に比べれば、雌豚…お前へのご主人様に対する愛情など微々たる物なのです。少しは身の程を弁えましたか?」

「…っ…」

エリアルの言葉に、真琴が俯く。

確かに、黎児がどれだけネットゲームにハマッていたのかは真琴も知っている。

廃人と呼ばれるまでネットゲームに依存していたという事は、言い換えればエリアルに依存していたという事。

真琴の出る幕など、ないのかもしれない。

(何でやろ…)

真琴の瞳に、ジワリと涙が浮かぶ。

(何や…悲しなってきた…)

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