いいから私の婿になれ
「一撃死の魔法は、ゲーム内に出てくる魔法の中で一番飛距離が短い。少しでも距離を置けば届かないんだ」

真琴の手を握ったまま、黎児が言う。

…エリアルがネットゲームの世界からやって来たというのなら、黎児はそのゲームをやり込んで熟知しているプレイヤーだ。

ゲームの知識ならば誰よりも詳しい。

その知識を以ってすれば、エリアルの攻撃もある程度は予測し、対応する事ができる。

「ネトゲ廃人も捨てたもんじゃないだろう?」

真琴に笑いかける黎児。

「黎児…おおきに、おおきにな…!」

黎児の手を握り返す真琴。

彼女は黎児の事をこの上なく頼もしく感じていた。

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