いいから私の婿になれ
戦斧を構え、今度は大きく横薙ぎに振るうエリアル!

黎児は真琴の手を握り締め、咄嗟に踵を返す!

「先生達も逃げろ!早く!」

今は状況の説明などしている暇はない。

説明した所で、頭の固い教師達には理解できないだろう。

とにかく教師達の間を擦り抜けて走り出し。

「うわあっ!」

教師達はエリアルの振るう戦斧の迫力に押されたように転倒した。

「そこをお退きなさい、邪魔立てするとミンチにして差し上げますよ…?」

可憐な少女の姿に似つかわしくない台詞で、エリアルは教師達の間を歩いていく。

凶器と呼ぶにはあまりにも巨大すぎる戦斧を手にした少女が、生徒を追いかける。

だが教師の誰も、エリアルを止める事はしなかった。

当然だろう。

誰があの『美しき殺人鬼』を止められるというのか…。

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