いいから私の婿になれ
学校の敷地内を走り、黎児達は校門を潜ろうとしていた。

…背後から破壊音が聞こえてくる。

エリアルが戦斧を振るい、障害物を薙ぎ倒しながら追ってきているのだ。

「なぁ黎児、どうするん!あの子追って来るで!」

「……!」

真琴の問いかけに、黎児は答える事ができない。

どうすればいいのか、黎児が訊きたいくらいだった。

魔法に対しては何とか対処できたものの、肉弾戦に関しては純粋にエリアルの力だ。

こちらの世界の常識とか物理法則とかを無視した強さを、ネットゲーム世界の住人であるエリアルは発揮している。

そんな常識外れの力に対抗するには、こちらも軍事兵器にでも頼るしかないのではないか。

ゲームの中の世界というのがどれだけ現実離れしたものなのか、黎児は今、身を以って実感していた。

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