いいから私の婿になれ
巫 真琴。

ちょうど黎児の席の後ろが、その件の人物の席だ。

関西弁を話す整った顔立ちの生徒で、共学の高校に行けば女生徒の人気の的になっただろうに、何を血迷ったかこの男子校に転校してきたのが先月の話だ。

最初は物珍しいと思い、黎児やその友人が色々親切に話しかけていた。

が、生憎と真琴はネトゲにも美少女フィギュアにも興味がないらしい。

それどころか黎児達二人を一括りにして、

『変人が話しかけてくんなや、ボケ!』

である。

この異性の存在しない男子校において、友情がどれ程大事なものなのかが理解できていない、非常に身の程知らずな人物なのだ。

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