いいから私の婿になれ
黎児をも殺すと宣言はしたものの、やはり愛してやまない主。

黎児に抱きつかれて抵抗された事で、戦士としてのエリアルの動きが鈍る。

戦斧を振り下ろして両断すれば事は足りるだろうに、躊躇の色が見えた。

「今だ真琴!逃げろ!」

肩越しに真琴を見て、黎児は叫ぶ。

「せ、せやかて…逃げるてどこにっ?それに黎児はどうするんっ?」

黎児を置いて一人で逃げる事に動揺を見せる真琴。

「俺も後から追う!だから…」

エリアルの力に振り回されながらも、黎児は必死になって叫ぶ。

「学生寮へ…俺の部屋まで逃げろ!」

< 84 / 101 >

この作品をシェア

pagetop