いいから私の婿になれ
学生寮。

黎児達が通う男子校の寮。

黎児もまたその寮に住んでいる。

真琴は寮住まいではなかったものの、その所在だけは知っていた。

「寮なんかに逃げてどうするねん!追いつかれたらお終いやん!」

「いいから逃げろ!俺に考えがある!できればパソコンの電源も入れといてくれ!」

「はぁっ!?」

何故この状況でパソコンの電源?

真琴には黎児の考えている事がさっぱりわからなかった。

しかし、エリアルを育てた黎児に頼る以外、この危機を乗り切る方法はない。

「あぁもう!ウチはどうなっても知らへんからなっ!」

黎児が後から無事に追いついてきてくれる事を切に祈りつつ。

真琴は学生寮へと走り出した。

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