いいから私の婿になれ
そして、その場にはエリアルと黎児だけとなった。
真琴が逃げるのも気に留めず、エリアルは己の腰にしがみつく主を見下ろす。
…光のなかったその瞳が、僅かばかりの潤みを帯びたのは気のせいか。
「ご主人様…それが私を制する為ではなく、純粋に抱擁だったらどれだけ嬉しかった事か…ご主人様がその腕で抱いて下さったならば、私は蕩けるほどに嬉しかったでしょうに…」
「エリアル…」
黎児は彼女の細い腰に腕を回したまま呟く。
「ごめんな、俺が優柔不断で、度胸がないばかりに…もしエリアルがこれからも望んでくれるなら、いつでもこうしてやるから…こんな事でいいなら、幾らでもしてやるから…」
「ご、ご主人様…」
戦斧を握り締めるエリアルの手が、微かに緩む。
だが。
「だから…頼むから真琴の事は…」
その女の名が出た瞬間。
「うわあっ!」
エリアルはその膂力で黎児を振り解いた!
真琴が逃げるのも気に留めず、エリアルは己の腰にしがみつく主を見下ろす。
…光のなかったその瞳が、僅かばかりの潤みを帯びたのは気のせいか。
「ご主人様…それが私を制する為ではなく、純粋に抱擁だったらどれだけ嬉しかった事か…ご主人様がその腕で抱いて下さったならば、私は蕩けるほどに嬉しかったでしょうに…」
「エリアル…」
黎児は彼女の細い腰に腕を回したまま呟く。
「ごめんな、俺が優柔不断で、度胸がないばかりに…もしエリアルがこれからも望んでくれるなら、いつでもこうしてやるから…こんな事でいいなら、幾らでもしてやるから…」
「ご、ご主人様…」
戦斧を握り締めるエリアルの手が、微かに緩む。
だが。
「だから…頼むから真琴の事は…」
その女の名が出た瞬間。
「うわあっ!」
エリアルはその膂力で黎児を振り解いた!