いいから私の婿になれ
遂に下された死刑宣告。

それでも。

「っ……」

脇目も振らず、エリアルの言葉に耳も貸さず。

黎児はひたすらにパソコンのマウスを操作する。

彼はネット接続させ、あるサイトに繋いでいるようだった。

「れ、黎児っ、何やってるん!」

真琴が苛立ちながら彼の肩を揺さぶる。

今にも背後のヤンデレメイドが凶刃を振り下ろそうとしているのに、一体彼は何をしているのか。

「ご主人様の邪魔をするんじゃありません、雌豚」

エリアルが言う。

「私とてご主人様に対しては慈悲があります…心残りがあるのならば、それを片付けるまで執行は待ちましょう」

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