いいから私の婿になれ
静まり返った部屋に、マウスをクリックする音だけが聞こえる。

やがて。

「待たせたな、エリアル」

黎児は振り向いた。

「…ご覚悟は決まりましたでしょうか?」

「ああ…」

僅かに体を避けて、黎児はエリアルに見えるようにパソコンのモニタを晒した。

「エンターキーを最後に押せば、俺の心残りはなくなる」

「…?」

何を言っているのか。

訝しげな表情でパソコンのモニタを見たエリアルは。

「……なっ……!?」

その画面を見て愕然とした。

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