【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐
「―――…ふぅ。行ったかな」
息を吐き出して、そっと呟く彼。
そしてあたしを真っ直ぐ、綺麗な目で見つめると柔和に微笑んだ。
「大丈夫?」
その人の言葉に、あたしはすぐさまこくこくこくっ、と何度も頷いた。
「そう、よかった。ごめんね?突然変なことして」
ってか…や、やばい…っ
この人めちゃめちゃカッコいい…。
しかも背、高っ…!
こんな、芸能人みたいな人いるんだ…!
ドキドキと胸が高鳴るたびに、顔もどんどん熱くなってゆく。
「あっはは、やっぱびっくりしたんだ。」
あたしの顔が赤くなったのを、さっきのせいだと思ったらしい。
彼は、苦笑いを浮かべていた。
「うーん、一対二ならやれなくもないけど三人はね。ああでもしないと、ね」
情けない、と彼は笑った。
あたしはそんなことない、とぷるぷると頭をふった。