【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐
「ふふっ、ごめんね。そうだ、良かったらあたしらと一緒にお弁当食べない??」
え…?
「ホントはね、あたしたちずっと此花さんに声かけたかったの。」
泉堂さんが一緒にいる子たちに、ねっ?と話を振ればみんな揃って頷く。
「だからさ、よかったら…だけどどうかな??」
…どうしよう。
いいのかな…?
あたしなんかが一緒になって、迷惑じゃないかな?
めんどくさいって、つまらないって思われたら…。
でも…―――。
あたしは、胸ポケットからそっと小さなメモ帳とペンを取り出した。
これは、暁くんがあたしに買ってくれたものだ。
近くにボードがないときすぐに話を出来るように、コンパクトなものをあえて選んでくれた。
制服の胸ポケットのサイズに合わせて。
まだ真っ白い1ページ目に、丁寧に文字を書いてそれを泉堂さんたちに見せた。