【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐





「ふふっ、ごめんね。そうだ、良かったらあたしらと一緒にお弁当食べない??」






え…?





「ホントはね、あたしたちずっと此花さんに声かけたかったの。」





泉堂さんが一緒にいる子たちに、ねっ?と話を振ればみんな揃って頷く。





「だからさ、よかったら…だけどどうかな??」






…どうしよう。




いいのかな…?



あたしなんかが一緒になって、迷惑じゃないかな?




めんどくさいって、つまらないって思われたら…。





でも…―――。





あたしは、胸ポケットからそっと小さなメモ帳とペンを取り出した。





これは、暁くんがあたしに買ってくれたものだ。




近くにボードがないときすぐに話を出来るように、コンパクトなものをあえて選んでくれた。




制服の胸ポケットのサイズに合わせて。







まだ真っ白い1ページ目に、丁寧に文字を書いてそれを泉堂さんたちに見せた。





< 171 / 450 >

この作品をシェア

pagetop