【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐





みんな優しくて、楽しくて。




ただ無機質な時間を過ごすだけの学校風景に、鮮やかな色が塗られたかのようだった。





暁くんと出会ってからあたしの日常は、大きく変化しつつあったんだ。








初めて机をくっつけてみんなでお弁当を食べて。




おかず交換も初めてした。




あたしが毎朝手作りしてるおかずを、みんな美味しいって誉めてくれた。




それに、あまりテレビを見ないあたしには新鮮な、芸能人やドラマの話。




夜目に慣れたあたしには眩しいくらい、キラキラしてた時間だった。





そしてお弁当も食べ終わった頃、話は恋バナに移っていた。





「優輝の彼氏がね、めっちゃカッコいいんだよ!!」




「うん、めっちゃカッコいいよー。」





堂々と認めた優輝ちゃんに、みんなが冷やかしの言葉を浴びせた。




その大胆な発言に、思わずあたしも感心してしまう。







< 173 / 450 >

この作品をシェア

pagetop