【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐





…彼氏、かぁ。




恥ずかしそうにしつつも、幸せそうに彼氏の話をする優輝ちゃんはすごく可愛らしかった。





みんな、恋とかしてるのかな?



正直、恋だとか付き合うだとかよくわからない。




わからないけど…。





そっと、頬に手を触れた。





1ヶ月前、暁くんの家に行った時。




泣いていたあたしをなだめるように、優しくここに触れた暁くん。





何か言いかけていたけどその時は聞けなかった。



その事は今も暁くんに聞けてない。





あのとき、すごくドキドキした。

心臓が壊れちゃうんじゃないかってくらい。





やっぱりこれが、恋ってやつなのかなぁ…?




そうだとしても、あたしなんて相手にされないのは目に見えてるよね…。







*********





放課後、掃除を終えたあたしたちはその日の内にアドレスも交換して、すっかり仲良くなれてた。




いつもは1人で暁くんを待ってた時間も、あっという間に過ぎてく。




他のみんなは部活に行ってしまい、残っていたのは優輝ちゃんだけ。





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