【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐
…彼氏、かぁ。
恥ずかしそうにしつつも、幸せそうに彼氏の話をする優輝ちゃんはすごく可愛らしかった。
みんな、恋とかしてるのかな?
正直、恋だとか付き合うだとかよくわからない。
わからないけど…。
そっと、頬に手を触れた。
1ヶ月前、暁くんの家に行った時。
泣いていたあたしをなだめるように、優しくここに触れた暁くん。
何か言いかけていたけどその時は聞けなかった。
その事は今も暁くんに聞けてない。
あのとき、すごくドキドキした。
心臓が壊れちゃうんじゃないかってくらい。
やっぱりこれが、恋ってやつなのかなぁ…?
そうだとしても、あたしなんて相手にされないのは目に見えてるよね…。
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放課後、掃除を終えたあたしたちはその日の内にアドレスも交換して、すっかり仲良くなれてた。
いつもは1人で暁くんを待ってた時間も、あっという間に過ぎてく。
他のみんなは部活に行ってしまい、残っていたのは優輝ちゃんだけ。