【完】Lost voice‐ﾂﾀｴﾀｲ ｵﾓｲ‐

「じゃああたし、満足したから帰るね！また明日っ」




あたしも笑顔で手を振ると、優輝ちゃんは満面の笑顔でブンブン両手を振り回して帰っていった。





元気だなぁ、優輝ちゃんって。



優輝ちゃんの後ろ姿を眺め、思わず笑みを漏らしているとがチャリとドアの開く音がした。






「じゃあ、行こうか。」





いつも通り助手席を開けてくれた暁くんに、いつも通り笑いかけてあたしも車に乗り込んだ。



暁くんの運転姿にもだいぶ見慣れた。





初めは、仕草の一つ一つがかっこよくてドキドキしっぱなしだった。





…訂正。今もドキドキしてるかも。




そっと、暁くんの横顔を盗み見る。




そしたら、暁くんはあたしの視線に気が付いて




「ん？」





って、優しく微笑んだ。






うわっ、見てたのばれたっ




恥ずかしくなって、なんでもないと首を振ってすぐに目をそらした。