【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐
翌日。
優輝ちゃんは、プレゼントのことまだ決まってないなら買い物を付き合うと名乗りを上げてくれた。
まだ決まっていなかったあたしは、有り難く付き合ってもらうことにした。
お礼に何か甘いものでも奢るからと約束をし、今日の放課後さっそく行くことになった。
渚ちゃん、真波ちゃん麻佑ちゃんも一緒に考えてくれたんだけど…。
でもみんなは部活が忙しいから、行きたくても行けないと溢していた。
「いいなぁ、優輝は見たんでしょ?柚ちゃんのイケメン彼氏!」
彼氏じゃないって!
という抗議はもう聞き入れてもらえないと学習済みだ。
「一回だけね。確かにかっこよかったけど、やっぱりあたしはゆい…」
「はいはい、ノロケは結構よ。」
優輝ちゃんと真波ちゃんの掛け合いが可笑しかった。
「毎日校門で待ってるんでしょう?カッコいいって学校中噂になってるよ。」
えぇっ!!
あれだけカッコいいのだから噂されるのは当然だけど、学校中噂になってるというのは驚きだ。
「クォーターなんだって。すごいよね。」
「うっわー!!羨ましいー!!どこの国!?」
「イギリスだっけ?」
優輝ちゃんに聞かれ、思わず頷く。
「すごーいっあたしもそんな彼氏欲しいわー!」
みんなでお喋りするのにも、だいぶ慣れた。
あたしは黙って聞いてるだけでも、みんなが気を使ってくれるから全然孤立した感じはない。
でもやっぱり、みんなに気を使わせちゃうのは申し訳ないよね。