【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐
あたしたちが組んでいたバンドの、ドラムを担当したモモ。
3年前の事故以来、会っていなかったのに。
「あんた、自分がしたこと忘れたんじゃないでしょうね!?」
止めて…
「言ったわよね!?罪を償うために、一生喋らず、孤独でいるって!!」
止めて…
体が、ガタガタと震えだした。
周りの人も、何事かとあたしたちを遠回しに見ていた。
「たった3年で、もう忘れたわけ!?それとも罪を償う意志がなくなった!?」
違う…いや…
「あんたのせいでっ、瑛は死んだのよ!?」
3年前の悪夢が、甦る。
―――このっ、人殺し!!
「人殺しのクセに、幸せそうにしてんじゃないわよ!!」
彼女とは違う人から向けられた、3年前と同じ言葉がぐさりと胸に刺さった。
人殺し…
あたしは、人殺…
バシーーーンっ!!
頬に感じる痛みは、何…?
あれ?痛いの…?
イタイッテ、ナンダッケ…?
「ちょっとあんた!いきなりなんてことすんのよ!」
「なに、こいつの知り合い?あんた関係ないでしょ。引っ込んでて。」
「関係あるよ!友達だもの!!」
「友達?なら良いこと教えてあげるわ。こいつはね、親友を殺したのよ。罪を償うって言ったくせに、もう守ってもらうの?弱いわよ、弱すぎよ。」
「止めてよ。柚ちゃんはそんな子じゃない!!」
「こいつに関わると、あんたも死ぬわよ。」
「ふざけ…!!」