【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐
その日の次の日からは、学校に行ってない。
行く気になれなかった。
今まではあんなに行くのが楽しかったのに、何もかもが、光を失ってしまったみたいだ。
あたし、なにやってたんだろ。
今まで、暁くんに甘えて優輝ちゃんたちに甘えて。
自分が、人殺しだったってことを自覚できてなかった。
償うべき罪を見てみぬフリをして、楽しんでた。
最低、最低、最低。
…そうだ、あたしなんて死んだままにしておけばよかったのに。
3年前、あたしの心は死んだ。
それを、優兄や京ちゃんが生き返らせてくれたけど、心の奥深くは死んだままで。
それを、優しく蘇生してくれたのは暁くんの存在だった。
まだ心があるなら、無くしたほうがいい。
その方が、いいに決まっているもの。
何度も、何度も携帯が鳴っていたような気がした。
でも、見てない。
ご飯、食べてない。
でも不思議なことに、お腹は全く空かない。
たまに、携帯に手が伸びそうになる。
あの人の温もりを求めてしまって。
そのたびに、お風呂場で冷水を頭から浴びた。
もう、何日たった?
今日は何月何日?
何曜日?
月が、登っていた。
まん丸いお月さまが、あたしをずっと照らしていた。