【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐
誰か、助けて…
「…柚ちゃん、柚ちゃん。」
この声は…。
優輝、ちゃん…?
「柚ちゃん。どうしたの?」
ニコニコと笑う彼女に、すがり付きたくなった。
「っ…」
「人殺し。」
え…?
「人殺し。」
いつも笑顔だった優輝ちゃんの表情が、恐ろしく冷たくなった。
ゆき、ちゃん…?
「人殺しなんて、いなくなってしまえばいい。」
ドクン…っ、心臓が鷲掴みされたように嫌な動きをした。
冷たい汗が、つぅっと流れた。
「人殺し、人殺し。人殺し」
優輝ちゃんの後ろにも、いつの間にか真波ちゃんや渚ちゃん、麻佑ちゃんがいて。
みんな冷たい目で口を揃えて、あたしを睨み付けていた。
「お前なんて、いなくなればいい。お前なんて必要ない。」
やめて…
もう、やめて…
「柚…?」
ハッとして後ろを振り向いた。
アキちゃんの声だった。
よかった、なんともなかっ…
ホッとしたのも、つかの間。
あたしの後ろでは血まみれのアキちゃんが、恐ろしい形相であたしを睨み付けていた。
「…いっ、いやぁぁぁぁああああああっっっ!!」