【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐
「どーも。ごちそうさまでした」
暁くんは、こちらが思わずとろんっとしてしまいそうな笑顔を店員さんへ向けた。
「あ、ありがとうございましたー…」
その笑顔と、暁くんのセクシーボイスのダブル攻撃に店員さんはメロメロ。
あれはきついだろうなぁ…。
おもわず、店員さんに同情してしまった。
暁くんはと言えば、そんなことに気付いていないのか普通にお店の出口へと向かう。
もしかして、暁くんって天然…?
「柚姫ちゃん?行くよ。」
既に出口の所で待ってた暁くんに声をかけられてあたしは振り向く。
「おいで。」
くすっ、って笑った顔がすっごく優しくて。
ダメだってわかってるのに、知らず知らずの内に暁くんに惹かれていく自分を抑えることが出来なくなっていた。