【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐




「…ふぅん、そっちのチームも難航してるんだぁ。」




一緒に下校しながら、メニューの出来の話をしていた。




ちなみにメニュー係は2つに別れていて、あたしと優輝ちゃんは別々だ。




「こっちの方もまちまちかなぁ。いや、美味しいんだけどさ、なんか物足りないっていうか。」



“こっちもそんな感じかな。だから今日、材料買って家でも作ってみようかと思って。”




「へぇ。そう言えば、柚って独り暮らしになったんだよね?」



頷くと途端に、優輝ちゃんの目が輝く。




「今日、お泊まりしてもいいかなっ!?」



へ!?




「明日学校休みだし、一緒にメニュー考えようよ!!」




わ。なんか、楽しそう。



あたしはすぐに何度も大きく頷いた。







優輝ちゃんと近所のスーパーで材料を買って、そのまま一緒にやって来た。




部屋に入った途端、優輝ちゃんの目が輝く。




「わぁー、ここが柚の部屋かぁ!!」




1DKだから狭くて申し訳ないのだけど、優輝ちゃんは楽しそうにしてくれている。



それからの時間はあっという間だった。




一緒にメニューを練って、作って、味見して。




すごく美味しいものが出来た時は、二人して大喜び。




2つ目が完成したところで材料がきれ、その日はそこでやめて一緒に夕飯を食べた。




優輝ちゃんがお手伝いしてくれて出来上がったカルボナーラを、優輝ちゃんは美味しい美味しいと食べてくれて。




楽しい時間は、あっという間に過ぎていった。





< 328 / 450 >

この作品をシェア

pagetop