【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐
「…ふぅん、そっちのチームも難航してるんだぁ。」
一緒に下校しながら、メニューの出来の話をしていた。
ちなみにメニュー係は2つに別れていて、あたしと優輝ちゃんは別々だ。
「こっちの方もまちまちかなぁ。いや、美味しいんだけどさ、なんか物足りないっていうか。」
“こっちもそんな感じかな。だから今日、材料買って家でも作ってみようかと思って。”
「へぇ。そう言えば、柚って独り暮らしになったんだよね?」
頷くと途端に、優輝ちゃんの目が輝く。
「今日、お泊まりしてもいいかなっ!?」
へ!?
「明日学校休みだし、一緒にメニュー考えようよ!!」
わ。なんか、楽しそう。
あたしはすぐに何度も大きく頷いた。
優輝ちゃんと近所のスーパーで材料を買って、そのまま一緒にやって来た。
部屋に入った途端、優輝ちゃんの目が輝く。
「わぁー、ここが柚の部屋かぁ!!」
1DKだから狭くて申し訳ないのだけど、優輝ちゃんは楽しそうにしてくれている。
それからの時間はあっという間だった。
一緒にメニューを練って、作って、味見して。
すごく美味しいものが出来た時は、二人して大喜び。
2つ目が完成したところで材料がきれ、その日はそこでやめて一緒に夕飯を食べた。
優輝ちゃんがお手伝いしてくれて出来上がったカルボナーラを、優輝ちゃんは美味しい美味しいと食べてくれて。
楽しい時間は、あっという間に過ぎていった。