【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐
はっと起きたら、既に外も家も真っ暗。
慌てて電気を付けて時計を確認すると、時間は夜の11時を過ぎたところだった。
って、あたし寝すぎ。
家にはまだ誰もいない。
また、一人か。
両親は一年前に離婚。
母さんはあたしを置いて知らない男の人の所に行った。
父さんはあまり家には帰らない。
帰ってきても、お金を置いてお酒のんで、一言も話さずにまたどこかへ行く。
この生活にも、慣れた。
正直食欲がわかない。
着替えを部屋に取りに行き、ブレザーをハンガーにかけてシャワーを浴びた。
あたしはそのまま、髪も乾かさずにベッドに潜り込んだ。