【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐
「なんて書いてくれたの?見せて。」
にっこりと、日だまりみたいな温かい微笑みを浮かべて暁くんは手を差し出す。
これを渡したら、後戻り出来なくなる気がする。
でも…。
この想い、伝えたい…―――。
「…ん、ありがとう。」
あたしは暁くんの手に、ボードを乗せていた。
「…そっか。」
そして暁くんは、書いてある文字を見て、小さくはにかんだ。
ボードには
“だったら、あたしのことも女の子として見てください。”
って、書いてしまった。
「うん、じゃあやっぱり予定変更だね。行こうか。」
予定変更…?
予定とは何かと聞く前に、暁くんはポケットから携帯を出すとどこかに電話をかけ始めた。