【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐





「なんて書いてくれたの?見せて。」




にっこりと、日だまりみたいな温かい微笑みを浮かべて暁くんは手を差し出す。




これを渡したら、後戻り出来なくなる気がする。



でも…。





この想い、伝えたい…―――。






「…ん、ありがとう。」




あたしは暁くんの手に、ボードを乗せていた。







「…そっか。」





そして暁くんは、書いてある文字を見て、小さくはにかんだ。





ボードには






“だったら、あたしのことも女の子として見てください。”




って、書いてしまった。




「うん、じゃあやっぱり予定変更だね。行こうか。」





予定変更…?






予定とは何かと聞く前に、暁くんはポケットから携帯を出すとどこかに電話をかけ始めた。





< 73 / 450 >

この作品をシェア

pagetop