【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐
そんなときだった。
「…ぅおっ!?」
…え?
突然前から降り注いだ見知らぬ声に、あたしは驚いて慌てて前を見ようとした。
…ぼふっ!
しかしその前に、胸と顔全体に広がる鈍い痛み。
そのせいでバランスも崩し、あたしはアスファルトに尻餅をついてしまっていた。
うぅ…お尻も痛いけど、鼻も痛い…。
ジンジンする鼻を押さえ、そっと上を見上げると。
「…ってぇんだけど。」
そこにいたのは、思いっきり不機嫌そうにあたしを睨む
不良さんたちでした…。
その瞬間、さーっと顔から血の気がひいた。
なんか、かなりマズイ状況のような気がしてならない。
あたしを睨む怖い人は、3人。
慌てて立ち上がると、そのままの勢いでバッと頭を下げた。