【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐





“じゃあ、どっちも悪くないってことにしましょうか。”





「そうだね。」





原田さんは、顎のひげを撫でて笑った。





こんなこと言ったら、怒られちゃうかもしれないけど、原田さんってお父さんみたいだなぁ…。






あたしのお父さんは、あたしになんて構ってくれたことないけど、普通の優しいお父さんってこんなイメージがある。






ってか、原田さんって何歳?





なんて考えながら、原田さんの年齢を予想していた時、ふいに原田さんは口を開いた。






「柚姫ちゃん、今日はアキと一緒だったんだね。」





“学校に迎えに来てくれたんです。それから、水族館行ってご飯食べてきました。”





「へぇ、デートか。」






デ…っ、デート…。





うん、だよね…。






デートしよう、って言われたもんね?






でも暁くんにとっては遊びに行くっていう意味だったんだろうけど、原田さん絶対勘違いしてるよ…。






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