幽霊美容室
ザクッ。
静かに響く音。
うああああ。やっちゃったよ。
切っちゃったよ。てか別に普通じゃん。
むしろいい髪質だよ。
う~ん久しぶりの感触。
こんなこと想ってるから不安がられちゃうのかな?
いかんいかん集中集中。
「お客さんいい髪質ですねえ。」
「ありがとうございます。」
「どれくらいまで切っちゃいますか?」
そう聞く俺に客は"おまかせでいい"と答える。
やっと進みだした会話。
その客の名前は"奈美"。
小さなカフェで働きながら趣味で絵を描いたりしてるらしい。
美大を目指していたこともあるらしく
確かに服のセンスもいいし、メイクの腕前も大したものだ。
よく見てみると子猫のような目をした小悪魔の雰囲気を持つ子だ。
周りの男はほっておかないだろうな。
そんな風に想いながら髪を切ってる最中だった。
「どうして短くされるんですか?」
やってしまった。
言わないでおこうと最初に決めていた台詞を
ようやく流れ始めた温かい会話の雰囲気に飲まれて
いとも簡単に吐き出してしまった。
「彼氏がですね、いや正確には別れた彼氏なんですけど、ショートカットが大好きだったんですよ。」
予想通りの失恋話。
ただ彼女の場合はちょっと違った。
別れた彼が絶対に似合うって言ってたそのショートカットを
別れた今になって挑戦しようと想ったと
そう話す彼女は随分と楽しそうだった。
「こういうのって聞く方がなんだか気まずいですよね。」
そう言いながら目を細めながら笑う彼女。
逆にこちらに気を遣うかのように素敵な笑顔を浮かべる。
きっかけが欲しかったかのように
そこから彼女は別れた彼とのことを話し始めた…
静かに響く音。
うああああ。やっちゃったよ。
切っちゃったよ。てか別に普通じゃん。
むしろいい髪質だよ。
う~ん久しぶりの感触。
こんなこと想ってるから不安がられちゃうのかな?
いかんいかん集中集中。
「お客さんいい髪質ですねえ。」
「ありがとうございます。」
「どれくらいまで切っちゃいますか?」
そう聞く俺に客は"おまかせでいい"と答える。
やっと進みだした会話。
その客の名前は"奈美"。
小さなカフェで働きながら趣味で絵を描いたりしてるらしい。
美大を目指していたこともあるらしく
確かに服のセンスもいいし、メイクの腕前も大したものだ。
よく見てみると子猫のような目をした小悪魔の雰囲気を持つ子だ。
周りの男はほっておかないだろうな。
そんな風に想いながら髪を切ってる最中だった。
「どうして短くされるんですか?」
やってしまった。
言わないでおこうと最初に決めていた台詞を
ようやく流れ始めた温かい会話の雰囲気に飲まれて
いとも簡単に吐き出してしまった。
「彼氏がですね、いや正確には別れた彼氏なんですけど、ショートカットが大好きだったんですよ。」
予想通りの失恋話。
ただ彼女の場合はちょっと違った。
別れた彼が絶対に似合うって言ってたそのショートカットを
別れた今になって挑戦しようと想ったと
そう話す彼女は随分と楽しそうだった。
「こういうのって聞く方がなんだか気まずいですよね。」
そう言いながら目を細めながら笑う彼女。
逆にこちらに気を遣うかのように素敵な笑顔を浮かべる。
きっかけが欲しかったかのように
そこから彼女は別れた彼とのことを話し始めた…