心 [短編]
「――この怪我、友達のせいなの。」


「えっ…。」


奈美の怪我は結構ひどい。


右腕は複雑骨折、左腕に十針、頭に五針も縫う深い傷を負っている。

まだ他にも小さな傷がたくさんある。


奈美は、目に涙をいっぱい溜めて、続きをゆっくりと話し出した。


「友達に……道路に突き飛ばされて、トラックにひかれたの…。」


「…。」


私は信じられない事実に絶句した。


――一歩間違えたら奈美は死んでいた。


そんなことを平気でするなんて…。


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