舞い降りた天使と悪魔
ジェイドは俺の目を見据えて言う。
力強く、俺の目を捕らえて離さない。
後悔‥か。
「‥後悔なら今までもしてるさ。
今更引き返すマネなんてしねぇよ」
俺は長い羽織りを翻し、ドアノブに手を掛けた。
「‥アンナ。後を頼む」
「悔いの残らないようにね」
俺はその言葉に背中を押され、その部屋を後にした。
ドアを閉めた時に、ノエルのものだと思われる嗚咽が聞こえてきた。
俺は振り返りもせずに、自分の部屋へと戻った。