舞い降りた天使と悪魔
俺はユーリより先に歩いた。
昔‥あの痛みを味わった事がある。
いつだったっけ‥?
‥あぁ、あの事件があった日かな‥
俺と知香が会って間もない頃。
「ユーリ‥俺の昔話を聞いてくれるか?」
「構わん。
それでお前の気が楽になるなら」
気が楽になるなら‥か。
あの事故が起きて以来、俺の気は重くなる一方だ。
あの時の知香の目‥
周りの目‥
母さん‥‥
「そうだな‥
俺が‥八歳の時だから、七年前の話だよ」