舞い降りた天使と悪魔
そんな笑顔に、俺は元気を貰っていた。
『こんなところで何してるの?』
『え‥と』
町から少し外れた山中に俺はいつもいた。
理由は、俺が妙な力を持っているのもあるけど、獣人というのもあって、親族から忌み嫌われていたから。
俺は落ち込むと、ここに来て、ちっぽけな町を上から見下ろしていた。
『‥ここ、綺麗だね』
『‥知香は‥気持ち悪く無い?』
『何が?』
『俺の‥事』
意味が分からない質問だったのか、知香は首を傾げて唸っていた。