舞い降りた天使と悪魔
▽side:Yuri
─天界─
チク‥タク‥チク‥タク‥
時計の音が鼓膜を揺さぶる。
淡い光の中、俺はパラパラと書物をめくっていた。
「やぁ、ユーリ」
「っ!?」
集中し過ぎていた為か、背後に気付かなかった。
急いで振り向くと、そこには意外な人物がいた。
「‥ラジエル様‥!」
「君が帰って来ていると聞いてね。
ちょっと顔を見に来たんだ」
優しい眼差しで俺を見つめる男。
俺を天界に誘い、力を付けてくれた俺の師匠『ラジエル』様。