舞い降りた天使と悪魔

ハルクは抵抗せずに、黙って聞いているようだった。



「だから、ハルク。
魔界なんか捨てて、私達と一緒に‥っ!?

‥‥‥‥ハルク?」



喋ってる言葉が遮られた。
一瞬、何が何だか分からなかったけど、冷静に考えると、私の背中にハルクの腕。

‥私‥‥ハルクに抱きしめられてる?



「俺だって‥戻れるなら戻りてぇよ‥」


「うん」


「だけど‥怖い」


「うん」


「一人で抗うのは怖ぇよ‥」


「うん」


「でも‥‥‥‥」



ハルクの言葉が遠退く。
と、同時に腹部に鈍い痛みが走った。



「悪ぃな、やっぱ悪魔だわ」



私の意識が途切れた。
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