舞い降りた天使と悪魔
▽side:Yuri
「‥‥‥‥」
天界にある、上級天使が住まう〝セレスチナ〟の中庭のベンチで、俺は一人、途方に暮れていた。
やはり、ラジエル様の言う通り、ハルクを救うのは諦めた方が良いのか?
「くそっ!」
俺は一体どうすれば良い。
冷静になれ、焦るな‥‥
‥‥‥俺は、ハルクを助けたい。
例え、追放になろうと‥‥
「‥戻るか」
ベンチから腰を上げた時、遠くが少しざわついているのを感じた。
「何事だ‥‥」
俺は少し嫌な予感がし、足早にその方向へと足を向けた。