君のこれからを僕にください
「んあー。よく寝たー」

夏希が起きだして帰ろうと準備を始めた。

「夏希、今どうやって生活してるの?飯ちゃんと食べてるのかよ?」


夏希が後ろを向いたまま話しだした。


「夢みたんだ・・お母さんが生きてて帰ったらご飯つくって待っててくれてて・・すごく暖かい気持ちでさ・・起きたら・・高橋がいた・・」

夏希は泣いているようだった。

「みんながうらやましいよ・・帰る家があって家族がいて・・」

そんな夏希のことが一つひとつに僕は心が痛かった。
この3年間だけでもこの子はどれだけ苦労してきたのだろう。

ガラガラガラ・・

夏希が外に出て行った。何も言えない自分が嫌だった。
僕は左手を握り締めていた。

ドンッ!バダ・・・

外から何か音が聞こえた。
僕は慌てて外に出てみるとそこには夏希が倒れていた。


「夏希!おい!」

さすったが夏希は起きなかった。



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