君のこれからを僕にください
「ただいまー」

あたしは部活が終わるとすぐ家に帰る。
それをお母さんが迎えてくれる。

「今日はどうだった?」

いつも笑顔のお母さんは毎日毎日聞いてくる。
本当に毎日一緒だけど、あたしにとってのたった一人の家族。

「そんな毎日聞いても変わんないってばもう」

あたしも毎日変わらない返事を返す。
でもそれが毎日幸せで毎日の日常。

「今日はマーボー豆腐ね!」

「ええー」

豆腐が嫌いなあたしは少しだけ反抗して食べる。
豆腐は嫌いだけど、でもお母さんが作ってくれたものは別。

本当においしい。

それでそれでね・・






「夏希、夏希」

聞き覚えがある声にあたしは起こされた。

「夏希?良かった。やっと起きたよ」

その声の主は高橋だった。
暖かい部屋と布団。そこは間違いなく高橋の部屋であろう場所だった。

「お前外で倒れてたし、家わかんないからとりあえずここに運んでみた」

少年のような顔をした高橋に安心した。
人がいる家は久しぶりだった。

「心配したんだぞ」

高橋はベットに乗り込んであたしを抱きしめた。

「た、高橋?」

チュ・・

暖かいものがあたしの唇に触れた。

「・・え・」

高橋は舌を絡めた。
いやらしい音が部屋に響き渡った。

チュ・・ン・・クチュ・・

「はあ・・高橋・・」

あたしはなんとかして高橋の腕の中から逃れた。


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