君のこれからを僕にください
夏希が僕の部屋を出て行った後、
僕は脱力感でその場から動けなかった。

「俺・・だせー」

お互いなんとも思ってなかったなんて、僕の見栄でしかなかった。
夏希は僕を絶対に好いてくれている自信があったし、
だから僕もゆとりを持って夏希に接してこられた。


そんな夏希に僕は・・。
一番の生徒でいたいという夏希の気持ちに嘘はないのはわかった。

だからこそ、この気がついてしまった感情に耐えられなかった。

「俺・・夏希がいなきゃ・・」

なんでもっと早く気がつかなかったんだ。
いつも一番近くにいたのは夏希だったのに、僕はいつも夏希の気持ちに気がついてあげられない。

夏希よりずっと歳は上なのに、何を僕は見てきたのだろう。

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