君のこれからを僕にください
「第40回卒業式を挙行します」
司会のアナウンスで夏希たちの卒業式は始まった。
たくさんの生徒の中から夏希を見つけることが出来なかった。
みんな思い思いの歌を歌ったり、
青春の思い出に涙したりした。
中高一貫ということもあり、
6年間過ごした仲間たちと今日でお別れなのだ。
みんながみんな別れを惜しんでいた。
「高橋先生!一緒に写真とろうよー」
色んな生徒とも写真をとった。
よくサボりにきていた子、バレー部だった子、よく話しかけてくれて子。
でもその中に夏希の姿は無かった。
「・・あの先生。夏希はね今日引っ越すんだよ」
バレー部の副キャプテンだった真由美が僕に教えてくれた。
「あ・・そうなんだ。バレー部で写真くらい撮りたかったな!」
僕は気丈に振舞った。
本当の僕は残念で仕方なかった。
卒業式で会えるものだと思っていた僕は毎日毎日、
指折り数える思いで、この日を待っていた。
でもそれでも僕にとっての1番の生徒は夏希であることは変わらない。
式を終え、先生たちと打ち上げに行くことになっていた僕は少しラフな格好に着替えるため、
この日初めて保健センターに入った。
いくどとなく通ったこの場所に、たくさんの思い出があった。
でもどうしても、
どうしても思い出そうとしても思い浮かんでくるのは、夏希の顔だけだった。
ふと僕は気がついた。
机の上に見覚えのない封筒が置かれていた。
僕の手が震えているのがわかる。
「高橋先生へ。永岡夏希」
司会のアナウンスで夏希たちの卒業式は始まった。
たくさんの生徒の中から夏希を見つけることが出来なかった。
みんな思い思いの歌を歌ったり、
青春の思い出に涙したりした。
中高一貫ということもあり、
6年間過ごした仲間たちと今日でお別れなのだ。
みんながみんな別れを惜しんでいた。
「高橋先生!一緒に写真とろうよー」
色んな生徒とも写真をとった。
よくサボりにきていた子、バレー部だった子、よく話しかけてくれて子。
でもその中に夏希の姿は無かった。
「・・あの先生。夏希はね今日引っ越すんだよ」
バレー部の副キャプテンだった真由美が僕に教えてくれた。
「あ・・そうなんだ。バレー部で写真くらい撮りたかったな!」
僕は気丈に振舞った。
本当の僕は残念で仕方なかった。
卒業式で会えるものだと思っていた僕は毎日毎日、
指折り数える思いで、この日を待っていた。
でもそれでも僕にとっての1番の生徒は夏希であることは変わらない。
式を終え、先生たちと打ち上げに行くことになっていた僕は少しラフな格好に着替えるため、
この日初めて保健センターに入った。
いくどとなく通ったこの場所に、たくさんの思い出があった。
でもどうしても、
どうしても思い出そうとしても思い浮かんでくるのは、夏希の顔だけだった。
ふと僕は気がついた。
机の上に見覚えのない封筒が置かれていた。
僕の手が震えているのがわかる。
「高橋先生へ。永岡夏希」