君のこれからを僕にください
3時間くらい経っただろうか。
またまた通りかかった墓地に制服姿の女の子が見えた。
僕にはそれは夏希であることがすぐに分かった。

「夏希っ!」

僕は知らず知らずのうちに走り出していた。

「夏希っ、お前一体どこにいたんだよ!」

びっくりしている夏希をよそに僕は夏希を抱きしめた。

「ちょっ、高橋・・」

「夏希・・今までどこにいたんだよ!どこに住んでたんだよ!・・なんで俺に何も言ってくれなかったんだよ・・」

言いたいことがありすぎて何も知らなかった自分が悔しかった。

「あ・・知ってたんだ。高橋に言ったら心配しそうだったから・・ごめん・・」


僕はゆっくりと夏希から離れた。
夏希がこんなにも細くて小さいことを僕は初めて知った。

「お母さんのお墓参りきてたんだ。あたしのたった一人の家族だから・・家は近くのアパートにいるよ・・だから高橋は心配しないでよ。ありがと・・」

「明日からちゃんと学校行くからさ!」

そう行って夏希は去っていってしまった。

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