君の隣で


「だめって言われたの・・・?」

「いいって言われたよ・・・」

「じゃあどうしてっ?」

ワケが分からなくて、
私は怒鳴ってしまった。

「言えなかったんだよ!」

朝陽が私に対して初めて怒鳴った。
その瞬間、私の瞳から大粒の涙が流れた。

「親父は、横浜に転勤だ。
 って言ってきた。

 でも俺はなちと離れたくなかったから、
 
 俺はいかねえよ。
 大事な奴がいるからな。

 って言った。

 そしたら親父は、
 あの時の、お袋がででった時の優しくて、
 寂しくて、
 あったかい笑顔で言ったんだよ俺に、

 そうか、お前も大人になったな。
 お前はここに残れ!

 って、肩をポンって叩いて。

 だから俺・・・・・
 断れなかった。

 やっぱり行くよ!
 
 って言ったら、
 嬉しそうな顔で、

 じゃあ、あっちに言ったら親父と一緒に
 飯が食えるようになるよ!

 って・・・・・・・           」
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